[短編]在りし日の記憶



「…これは??」

「さくらのしおりっ!!
かわいいでしょ??」

「うん。」

「あたしも、もってるから、おねえちゃんとおそろいだよっ。」

ほらっと言わんばかりに、桜の押し花を2つ、誇らしげに見せてきた。

「ありがとう。」

私が笑顔で押し花を受け取ると、小さい私も笑顔になった。

「おねえちゃん、あえてよかったっ。」

にっこりと笑って、小さい私はそういうとバイバイと手を振って、病院の廊下を走っていった。