君の声



 (まだ熱いや…)

リビングの近くまで来ても頬が熱いのがわかる

なんとなく入るのが躊躇われていた時


 「いい加減にして下さい」

 「でもっ…」


 (立夏さんと……お客様?)


由衣には聞き覚えのある声


 「顔ぐらい上げたらいかが?愛人のくせに…あなたがいるから立夏さんは私にプロポーズして下さらないのよ?」


昨日のパーティーで言われた言葉


 (……来てるの?なんで?やっぱり…立夏さんプロポーズ……)


由衣は不安になりながらもかぶりを振った


 (ううんっ立夏さんを信じるんだもんっ…)