「一緒だったんだな、お前ら。」


彼もまた、責めるでもなく聞いて来る。


晴々とした青い空の下、あたし達はもう、心の内を隠すことはない。



「ねぇ、もう答えは出てるでしょ?」


だから切り出したのは、あたし。


ヒロトは伏し目がちに口元を緩め、あぁ、と言う。



「お前のことは好きだけどさ、アイツしつけぇし、俺も根負けしたっつーか、ほだされたっつーか。」


「うん。」


「樹里の気持ちとかから、もう逃げねぇようにしなきゃ、って。」


「うん。」


照れ隠しなのか、口悪く言いながらも彼は、優しい目をしていた。


だからあたしも、笑っていたのだと思う。



「今更言い訳になるかもだけど、俺、お前のこと裏切ったことなかったよ。」


「うん。」


「俺結局、樹里に手出せなかったしさ。」


ヒロトは苦笑いを浮かべていた。


樹里は横から怒りながら、その体をぺしっと叩く。



「あたしだってヒロトのこと裏切るようなことは、何もしてないよ。」


言ってやると、もう終わりにしようぜ、と彼は笑う。



「俺はお前に何も出来なかったけど、付き合えて良かったよ。」