星屑

公園の寂しそうな木々には、昨日の雨の雫が伝う。


でも、雷鳴があったことすら嘘のように、空は綺麗な青い色をしていた。


あたしも勇介も制服姿で、これじゃ誰かに見つかったら困るだろうな、なんて思うけど。



「奈々！」


顔を向けてみれば、走ってきたのだろうヒロトと、そして少し遅れて後ろからは樹里の姿だ。



「おはよ。」


「おはよじゃねぇよ、馬鹿！」


言った後、彼はあたしの少し後ろで煙草を咥えた勇介に気付き、眉を寄せた。


が、それより早くに樹里が、泣きながらあたしに抱きつき、驚いてしまう。



「奈々、ずっとごめんね！
あたし最低だし、もう口きいてくんないかもだけど…」


「大袈裟だよ、樹里。」


笑いながらあたしは、それを遮った。



「別にあたしは何も怒ってないし、樹里のこと責めるつもりもないって。
だから泣かないでよ。」


と、言ったのに、彼女は子供みたいに声を上げ、わんわんと泣いていた。


こんな樹里の姿は初めて見た。



「でもごめん、ちょっとだけヒロトと話させて？」


涙を拭い、樹里はこくりと頷いた。


そしてあたしは彼を見る。



「心配、してくれてたんでしょ？」


「してたけど、多分土屋が見つけ出すんだろうな、って思ってたよ。」


随分と素直に言うヒロトに、少し驚いた。