それからの日々は、少しだけ変化したのかもしれない。


沙雪とスッチは一緒にいることが増え、そしてそれが自然になった。


ふたりは付き合っているわけではないようだが、でも仲の良さに嬉しくさせられる。


あたしも勇介と一緒にいることが増え、そして秋が始まった。






それは、樹里が休みのある日。


あたしとスッチと沙雪の3人でいるところに、珍しく通りかかったのはヒロトだった。


その場に勇介がいなかったとはいえ、彼はやっぱりあたしと目を合わせようとはしてくれない。



「ヒロト!」


でも、意を決して呼び止めた。


足を止めたヒロトは、こちらに睨むような冷たい瞳を滑らせる。



「学校、来なきゃダメじゃん。」


「…お前には関係ねぇだろ?」


そう言われることくらいわかっていたけれど、でもあたしだってそれなりに心配してるんだ。


ヒロトはこのままでは、留年どころで済むのかさえも疑問なくらい、学校に姿を現すことがないのだから。


沙雪とスッチは、少し不安そうな顔であたし達のやりとりを見つめていた。



「ねぇ、とりあえず学校くらい来なよ。」


うるせぇんだよ、と彼は吐き捨てる。


その威圧的な瞳にひるんでしまいそうだが、でもあたしは、ぐっと唇を噛み締めた。



「お前の顔見てっとイラつくんだよ!」