結局あたしと樹里は、ふたりでこのままここにいてもどうにもならないという結論に達し、それぞれの家に帰った。
でも、ひとりになっても色んな事を考えてしまい、頭を抱え続けている間に、気付けば夜になっていたのだ。
食事さえ喉を通らなくて、そんな時に鳴り響いたのは、あたしの携帯。
唯一指定着信音にしている“LAYLA”は、勇介からということだ。
確かあの後、大地くんのところに行ったのだったと思い出し、少し緊張しながらも通話ボタンを押した。
『奈々、今からちょっと出られない?』
「…え?」
『つーか今、奈々んちのマンションの下いるんだけど。』
会いたいんだ、と彼は言う。
珍しいことだとは思ったけど、でも聞きたいことなんて山ほどあったので、すぐに上着だけを羽織って家を飛び出した。
エレベーターを降り、急いでエントランスを抜けると、勇介は疲弊している様子だった。
あたし達は、マンションの向かいにある公園に行き、ベンチに腰を降ろす。
虫の音が聞こえるだけの、外灯さえ乏しいようなそこに、余計に空気が重くなるのだけれど。
「大地に、会った。」
勇介は、頼りなくも言葉を手繰り寄せた。
「責任取らないことが、自分なりの責任だって。」
その言葉の意味なんてわかるはずもない。
沙雪のことを想えばやっぱり悔しくなって、あたしは唇を噛み締めた。
勇介はこちらを一瞥し、そっと手を繋ぐ。
「…聞きたい?」
でも、ひとりになっても色んな事を考えてしまい、頭を抱え続けている間に、気付けば夜になっていたのだ。
食事さえ喉を通らなくて、そんな時に鳴り響いたのは、あたしの携帯。
唯一指定着信音にしている“LAYLA”は、勇介からということだ。
確かあの後、大地くんのところに行ったのだったと思い出し、少し緊張しながらも通話ボタンを押した。
『奈々、今からちょっと出られない?』
「…え?」
『つーか今、奈々んちのマンションの下いるんだけど。』
会いたいんだ、と彼は言う。
珍しいことだとは思ったけど、でも聞きたいことなんて山ほどあったので、すぐに上着だけを羽織って家を飛び出した。
エレベーターを降り、急いでエントランスを抜けると、勇介は疲弊している様子だった。
あたし達は、マンションの向かいにある公園に行き、ベンチに腰を降ろす。
虫の音が聞こえるだけの、外灯さえ乏しいようなそこに、余計に空気が重くなるのだけれど。
「大地に、会った。」
勇介は、頼りなくも言葉を手繰り寄せた。
「責任取らないことが、自分なりの責任だって。」
その言葉の意味なんてわかるはずもない。
沙雪のことを想えばやっぱり悔しくなって、あたしは唇を噛み締めた。
勇介はこちらを一瞥し、そっと手を繋ぐ。
「…聞きたい?」


