あたしの抵抗が意味を持たないなんてこと、今にわかったことではない。


結局良いように丸め込まれ、ぶつくさ言いながらも、休み時間を見計らって急いで教室に戻った。


もちろん、バッグだけを手に勇介と学校を抜けるために、だ。


とりあえず的に沙雪には、樹里のことも含めてメールを入れておいたけど、当然、怒られたことは言うまでもないだろう。




あたしと勇介。

樹里とスッチ。

沙雪と大地くん。




最近は、そんな図式が出来上がっている気がする。


ちなみにヒロトのことは知らないが、わざとのようにその話題には触れなかった。


だってあたし達三姉妹ですら、互いのことを深く言うことが少なくなり、だから本当のところなんてわからない。


それぞれにサボることも増え、誰かが欠けるのも日常となりつつある。







で、学校を抜けたあたし達は、勇介の単車に乗り、“どっか”に行くことにした。


お昼は過ぎているものの、やはり制服だし、この時間に街に行くのははばかられる。


今度こそ変なことをしないと彼は誓っていたが、笑いながら言うので未だに信用なんて出来るはずもない。


勇介は、まるで目的地でもあるかのように単車を走らせていた。