“コホンッ”
なんとなくいい雰囲気になったと思ったら、ティックが軽く咳払いをして、現実に引き戻した。
「あの……そろそろ話を戻しますよ。」
何故か少し低めのトーンで……。
「後……アリス様……」
そう言いながら私を真剣に見つめた。
「何?」
「僕はその……あのっ…」
照れているのを隠すように自分から合わせた目線を外す。
「どうしたの?」
そんなティックが気になり、反らした目線を合わせるように見る。
「どんな時でも……あなたの……味方です!」
ほんの少し頬を染めながら言ったせいか、ビルさんとはまた違ってドキドキしそうになった。
「脱線してしまいましたが、どこまで話しましたか?」
今度はビルさんが急に話を振ってくる。
そんなビルさんにティックがむぅっと少し顔をしかめると、ビルさんはそんなティックに何か含んだような笑みを再びした。


