「お口に合うかわかりませんが。」 そういいながら私の前に出されたそれはパティシェが作るような一流のケーキ。 見ているものの意識を集中させる。 「食べていいんですか」 「はいあなたのために焼いたのですから」 私と目が合うと妹に言うようなとても優しく微笑んだ。 「いただきまーす」 ちゃんと挨拶をして、フォークを取って、食べようとした瞬間……。 その瞬間……。 「アリス様!!」 ティックの叫びにも似たような声が聞こえた。 ドアのほうを見てみると必死な顔でティックが私を見ていた。