アリスの作り方

「ずっと硬い表情をしていましたので……。ティックから聞いたのですが、ここに来るまで色々あった様ですからね」


私を心配してくれているのか表情が曇る。


「ティックとドード……そして私はあなたを補佐するために存在です。ですので一人で
無理なさったり全てを抱えずに……私たちを頼ってくださいね」


私を慰めるように優しく……だが何か別のことを考えているのか表情は未だに暗い。


「ティックもそんな感じですよね……。」


ふと思い出したように呟く。
今まで彼と一緒に行動していて気づいたこと。
たぶんビルさんもティックのことでも考えているのだろう。


弟離れできないお兄さんのように……


「そうですね」


寂しそうに呟いた。


「あっ……。私が空気を重くしてはだめですよね」


少し無理して作ったようなぎこちない笑顔だった。