アリスの作り方

「あの……アリス様?」

「は…はい」

「先ほどから“は…はい”としかおっしゃっていないようなのですが」

「は……はい」


又言ってしまった……恥ずかしさが体全体を駆け巡っているのか体中がかなりあつい。

「何か無礼でも働いてしまったのでしょうか」

「い…いえ、緊張してしまって……。」

「大丈夫ですよ。ここにはあなたの敵なんかおりません」

私と目を合わせながら、私を安心させるように柔らかいふわりとした微笑みをする。
その言葉と表情が何となく暖かい気がして、何故か口元が緩んだ。

「やっと笑ってくれましたね」