「ルイ」


唇が離れ、彼が私を呼ぶ声が聞こえ、彼を見ると優しい表情をしながらそっと口を開いた。


「ルイ……僕に心を分けてくれてありがとう。そのおかげで、君と共にいる幸せを噛みしめることが出来る。だから……僕はその幸せを守るために君を守るよ」


そういう彼の表情は本当の王子様のようで、私の心臓はまたドキドキした。


「私とあなた、二人で一つの心になるんでしょう。だから、これからもよろしくね」
「こちらこそ」



そう言いながらクロノスさんは、王子様のように恭しく頭を下げた。




王子様はお姫様とばかり結ばれるんだから、たまにはこんな風な終わり方もいいのかもしれない、私は目の前にいる王子様を抱きしめながら、幸せを噛みしめるように目を閉じた。




この後私達はお互いの心を癒すために百年の眠りにつくらしい……。
その間にいばら姫に物事を教えた妖精みたいにこの王子様に感情を教えなければいけなさそうだ。



目の前のぎこちないけれど暖かい微笑をみながらクスリと笑った。
お互い目覚めのキスをする相手は目の前にいる。
誰にも邪魔されない素敵な永遠のような時間を私達は過ごしていく。