うずくめているためクロノスさんの表情はわからない。
「何かすごく……。」
急にクロノスさんの言葉が止まった。
見上げると微笑みながら困っていた。
「どうしたの?」
「何て言えばいいかわからなくて」
今までからは考えられない苦笑混じりの表情で私を見る、そんな彼を見ていると少し可愛くて自然とほほが緩む。
「自然と顔がゆるんで……わかんない……けど嫌じゃない」
「それは……きっと嬉しいという意味」
私が笑顔で言うと一瞬驚くが、理解したのかすぐに一際明るい笑顔になって……。
「嬉しい」
一言だけ言った。
「そうだ」
銀髪のさらさらヘアーに優しい微笑み、まるで絵本の中に出てくる王子様のようだ。
「何?」
感情があってもなくても彼の考えは読めない。
私と視線が重なるとふわりとほほ笑みながらゆっくりと口を開いた。
「僕も大好きだから」
そう言うと彼の顔が段々と近付いてきた。
そして唇に柔らかくて温かい感触がする。
それが急だったので、彼に口付けをされていると理解するのに時間がかかった。
「……。」
顔が赤くなりながらも、私はそっと目を瞑り、クロノスさんに身を委ねる。
ドクドクと少し早めに刻むクロノスさんの心音を聞いて彼も緊張しているんだと思い少しだけ安心した。