「う……っ……。」


いつの間に眠っていたのだろう。
気だるく未だに閉じようとする瞼を起こすように擦りながら目の前を見る。


「あれっ……。」


まだ脳みそが覚醒していないのか状況が全くわからない。
目の前に広がる草原を見ながら今までの出来事を思い出す。


女王の裁判……


私はクロノスさんと結婚する事になって……ティックの作戦に結婚式。
クロノスさんが私の拳銃で女王を倒して……死にそうなクロノスさんに私はさよならの代わりに


「キ……キ……キ……キス!」


キスをしたんだ。


クロノスさんの唇の感触が唇にまだ残っている。
唇を触りながら急激に体の温度が高まる。


「キス……。」
「どうしたのルイちゃん?」


彼とのキスを思い出して真っ赤になっていると、急に後ろから何となく今聞きたくない声が聞こえる。

心臓の音がドクドク煩い。
その音を鎮めようと落ち着かせながら少しづつ振り向いていくと……そこには王子様がいた。



近くにある花を摘んで作ったのであろう花の冠が輝いている、何故か少しだけ違和感の感じる王子様が。