“バサリ”
スペードさんを見送ると、部屋に戻りあてもなくベットに転がる。
ベットに沈むとふわりと心地よい感覚が全身を伝わった。
『ただ、無表情のあいつが少しだけ、優しそうな表情でお前をみつめていた』
何も考えずに上を見上げると、急に先程のスペードさんの言葉が頭の中にふわりと現れる。
もしかしたらクロノスさんはという妄想が頭に浮かぶが、浮かんだ瞬間に頭を振り消す。
感情のない彼は何とも思ってないはずだから。
そう思った時、心臓が抉られるような痛みと切なさがあらわれる。
少し苦しい……そうだ、話題をかえよう、それにしてもこのベットはかなりふかふかだ、もしかしたら柔軟剤でも使っているのかな。
「ふぁーあ」
そんな風に無理矢理考えながら、その柔らかさに身を委ねていると、今までの疲れが出てきたのか眠くなってきた。
「眠……。」
段々と瞼が私の意志に反して閉じていく。
大丈夫だよね……
クロノスさんがいるから。
根拠のない事が頭に浮かぶとそれから私の意識は途絶えるように眠りについた。


