「終身刑……。」
終身刑……つまりは死刑……。
“ゴクリ”
静寂という言葉が似合う無音の空間に私の生唾を飲み込む音が聞こえた……。
(私は殺される)
そう頭の中で思っていても、目の前にいるクロノスさんとスペードさんがどうにかしてくれるかもしれない。
そんな淡い期待を持っていたせいか、私はそこまで真剣に受け止めず続く女王の言葉を待った。
「ふぅ」
女王が大事な話をするように深呼吸をすると、重々しく口を開いた。
そのため息の瞬間がとても長く感じる。
ドキドキと私の心臓が何時もよりはやく脈打つ音が聞こえるようだった。
「結婚だ」
低い声で女王の口から出てきたのは意外な言葉だった。
「……結婚?」
唖然としながら女王や周りの傍聴席の人々を見ると、私同様に女王の言葉が理解出来ないのか、次に出てくる女王の言葉を待つように皆一心に女王の事を見つめていた。


