目の前に広がった光景はテレビなどでよく見る裁判所。
ただ違うのが、野外と言うことだった。
丁寧に手入れされた、真っ赤な赤いバラの壁に囲まれたとても綺麗な庭。
そんな庭に裁判所がつくられている。
「あちらの席に立って下さい」
私を誘導した兵士に促され、裁判台の前に立つ。
目の前には女王様そして傍聴席ではスペードさんとクロノスさんが立っていた。
「これよりはじめる」
私が被告人の席に立つと、陪審員が重々しく口を開いた。
「アリス。そなたは……。」「レジスタンスなどどうでも良い。思想など色々あるものだろう」
私の罪状について書かれた紙を陪審員が言おうとした瞬間、女王がさえぎるように言った。
女王の言った発言で中が騒がしくなる。
「……。」
わけが分からず、その女王の言葉に唖然と仕掛けたが、女王を睨むように見つめると彼女は唇を吊り上げながら微笑んだ。
「静かにしろ!首をはねられたいのか?」
ゾクリとする悪女のような笑みで周りを見渡すと、すぐに大人しくなった。
「……。」
誰も何も言わずにただ私と女王の様子を見ている。
物音一つ聞こえないせいか私の鼓動の音が聞こえてくるようだった。
「わが子をたぶらかした罪により、終身刑にする」
その静かな様子に満足したのか、いやらしい微笑を一つすると私を見ながら言った。


