かすかに聞こえる謎の声、気になり耳を澄まして聞いてみる。
「まも……。……もり」
「まもり。ま……。」
「まもり。まもり。」
「真守!真守!」
段々とはっきりと上の方から中年の女性の声が聞こえてきた。
この声は……
母さんだ。
「真守!」
漫画なんかだとよくあるシーン。夢の中にいる登場人物を母親が起こすシーン。
どうやら俺も彼ら同様に起きなけれがならないようだ。
しょうがない……
もう夢は終わってしまったようだから。
だけど母さん、もう少しで起きるから、だから……もう少し寝させて。
こうみえて、もう少し頭を整理させたいんだ。
「真守さん」
頭を整理させていると、後ろの方から懐かしい少女の声がした。
俺が夢の中で恋をした女の子。