ティックの言葉の途中で俺の記憶が急に途切れ、俺は暗闇の中に連れてこられた……らしい。

先程まで、縲ちゃんやティックと話していたはずなのに、一瞬目がくらんだような奇妙な感覚が現れた瞬間、目の前の景色から全てが消えた。


けど先程頭痛がした時も暗闇に連れてこられていたせいか、あまり戸惑いはしなかった。

それよりも……。


「ごめんね」


何の返事がもどってこないと知っていても言葉にしなければ気が済まなかった。

全てが中途半端だ。

自分の役割も恋も、そして最後の別れすらも……。


彼らに対して何も出来なかった自分に嫌気がさしてくるようだった。


そんな胸のわだかまりを消すように、ふぅと溜息をひとつつくと上の方から声が聞こえてきたような気がした。



「ま……り。……り」