“ガチャリ”
“ギギ”
重々しい音が部屋中に響く。
「……。」
覚悟を決めて開いたドアの先には私の考えていた海など広がっていなく、代わりに綺麗な庭に続いていた。
とても綺麗に手入れされている庭。
蔦が絡まって出来た壁には所々白いバラが生えている。
私の予想外の景色に戸惑いつつも、今までに比べて平和そうなそれを見て、私は安堵のため息が出た。
「ルイ様」
私がそのバラに視線を奪われていると、急に後ろから聞き覚えのある少年のような声が聞こえた。
「ティック!」
振り返ると、そこにはティック。
そしてその隣にはビルさんが焦った様な表情をしていた。
「此処は……。」
彼らの表情に違和感を感じつつも、それでもほっとしつつも、何処かと聞こうとした時、彼らの表情がいっそうけわしくなった。


