「?」
何処かにあるはず。
天井やら、床やらこの空間の全て見渡せば見つかるはず。
「あった?」
隅々を見ていったら、机の下辺りにガラスの扉があった。
まるでこの前のお茶会に続きそうな……。
その他には無いかと見渡すが、それ以外には出口は無い……。
「……。」
と言うことは……
そう言う事なのだろう。
この状況からどうするかは分かる。
だってこのまま何もしないでいても、ただ此処に無駄にいるだけだ。
けれどこの先にあること……
それは予想がつかない。
この前みたいに、東西南北の分からない海に投げ出されるかもしれない。
もしくはそれ以上の嫌な事が待ち受けているかもしれない。
不安な気持ちが段々と増してくるが、私は意を決して目の前の小瓶を取った。
ビンのふたを空けるとふわりと上品なキノコ……
マツタケのような香りがした。
美味しそうな香りだが、その後に待ち受ける物が少し怖くて躊躇しつつもゴクリ一口飲んだ。


