アリスの作り方

“ビリ……ビリ”


ノイズが落ち着くと再び別の記憶があらわれる。


『あなたを見ていると息子たちを思い出すわ』


同じように小さい私とロリーナさんが会話している。

クスリと優しく微笑むその表情が何となくティックを感じさせた。


「息子?」
『クロノスとティックと言う二人の息子がいるの』


一瞬の間の後、優しい表情をしながら続けた。


『いつかあなたを助けてくれるわ』
「どうしてクロノスさん」


そう思った瞬間ピリリと電撃が全身を駆け巡る感覚とともに、はっと意識が気付いた。

これが夢だったら私はベットの上にいるはずである。



だが……私は気付いたら知らない場所にいた。



これは夢なのだろうか……


それとも現実なのだろうか。



今まで見ていた奇妙な夢に奇妙な場所。


私は目の前で起こった不思議な出来事に頭がついていけなかった。


「ここは……」


それでも今の状況を理解しようと周りを見渡す。


洋風の部屋……


最初に此処に来た時に入ったあの部屋の様な感じだった。


絵も、机もいすも……そしてあの変な私を飲んでと書かれた飲み物でさえも。