「そう……あんたは3人目のアリスだ。前の二人が使い物にならなくなったから呼ばれたって事」


3人目……


私は私ではなかったんだ……。


「あんたの代わりはいくらでもいるってことだよ……アリス様。あんたが使い物にならなくなったらまた代えればいい」


スペードさんが私から目線を外して、少し下の方を見ながら言った。


「使い……物にならなくなったら」




ツカイモノニナラナクナッタラカエレバイイ



スペードさんの言葉が私の頭の中で鈍く響いた。

私は何のためにここにいるのだろう。



「言っただろう……この白ウサギを信じるなって……」



「ティック……。」




彼を見ると私から視線を反らしているのか、うつ伏せたまま何も言わなかった。