チェシャと名乗る奇妙な青年から案内された道を歩いていたら、急に目の前に扉が現われた。


これは……


何?



そう思いながら森の中に不法投棄されているように立っている扉をまじまじと見る。

茶色いアンティークの高そうな扉……それだけで特に変哲はない。
後ろを見てみるが、後ろも後ろで特に変わりない……。

まるで小さい頃よく見ていたアニメに出てきそうな扉だ。

不思議な……


ロボットが出す魔法のような道具の一つ。
まさかそのアニメみたいに開けたら違う道につながっているのだろうか?


冗談半分、本気が……半分でガチャリとドアノブをまわしてみる。



ドアノブがまわる……


鍵はかかってないようだ。



“ゴクリ”



生唾を飲みながら前へと押し倒す。



鬼が出るか仏が出るか……



はたまた森が出てくるか。


“ギー”



重苦しい音と共にドアが開いた。