殺す……。


その一言に反応して引き金をあげる。


“ドク…ドク…ドク”


振動の脈打つ音がはやくなっている

「じゃあみ……。」
「勿論味方でもないけど」


何勘違いしているの?そう言いたいのだろうか挑発するような視線を送ってくる。


「……っ」


わけがわからない。
王子とは違う、怒りのようなもやもやが出てくるようだ。


「じゃなんで観察しにきたの!」


敵でも味方でもないのに、私を挑発する理由がわからない。
目の前の狂っているしか表現出来ない彼の行動の真意が読めないため苛立ちがだんだんとつのってくる。


「そのままの意味。退屈だったからアリスの観察に来たの」


ニヤニヤという効果音が似合いそうな含み笑いをしながら答えた。

読めない……

いったい何考えているんだろう。


「そろそろ女王の独裁政権飽きてきたんだよねぇー。だからそれ以上に面白いものが現われてないかと思っていた所。今の所あんまり期待できる状況ではないけど、ただ同じ毎日繰り返しているよりはましでしょ」


“面白い”チェシャから考えられない一言が発せられる。