観察……

王子同様に間の抜けた答えが発声される。

先ほどの王子様といい私は動物園のパンダのような存在なのだろうか。
拍子抜けをして、一瞬ダイナの手を緩めてしまったがまた強く握り焦点を合わせる。


「面白そうだから。この世界の救世主……そして異分子。どんな奴がなったと思ったらこんなガキだとはねぇー。拍子抜けしちゃった」


今まで挙げた両手で、おなかをおさえて片方は口元を隠しながらクククッと笑った。
だけどそれが少し芝居じみていて本当に心から思っているようには見えなかった。


「それだけ?」


考えが読めない彼の行動が信用できない。


「そう……それだけ。もしかして俺が“アリス様”を殺しに来たとでも思っているの?」