「色々な本を読んでいますから大体はわかります。さっきのように少しが目が大きくなって僕を一心に見つめたのは驚いたからですよね。意外な事があったので心がさわいだ……あっていますか?」
とうとう違和感がなくなってしまった語尾を下げるだけ質問。
彼にとって感情というのは計算のようなものだろう。
この表情はこの感情なんて……とても頭の痛くなる話だ。
「あっていますよ」
たぶん……驚くの意味なんて言われても良くわからない。
心がさわぐってどういう意味なのだろう。
「よかったです」
そう言いながら王子様が無表情のまま唇を吊り上げるように作り笑いをした。


