「なのであなたは僕と戦うつもりはないですね。それに義母さん……女王から命令を受けたら殺しますが、まだでていないので」
そう続く王子様の言葉に冷たいはずのダイナが熱を帯びてきた。
「じゃあもしでたら……」
嫌な予感が頭の中をよぎる為その後の言葉が出てこない。
「母上の命令通りにことを行うに決まっています」
王子から感情が全く感じられず、そのせいかとても冷淡に聞こえた。
「どうしたのですか?険しい表情をして」
相変わらず語尾を下げた言い方。
あなたはいったい何を考えているの?
「その馬鹿にした言い方……どういうつもり?」
何かに気付いたようにわざとらしく驚いたような表情をすると、元の無表情に戻る。
言っているそばからこんな事をするなんて、からかっているのだろうか?
「普通の人にはおかしく見えるんですね。けどこれは僕にとっては普通です。僕には感情がないので」


