さて、いつまでも落ち込んでいたって仕方ないし。

 気を取り直していきますか?

 太陽がまだ東側に傾いている時間に学校は終わり、涼香と肩を並べて下校中。

 「涼香は今日誰と行くの?」

 「うん、明菜ちゃんたちと行こうと思ってたんだけどね」

 「けど?」

 「さっき佐伯くんにも誘われたから――」

 「それだけはダメだ」

 「まだ何にも言ってないよ?」

 「ゴメン」

 俺……気走り過ぎたかな?

 「あ、もしかして今朝の事妬いてるの?」

 「妬いてなんか――」

 「祐希くん、顔真っ赤か~」

 「うるさい!!」

 互いに顔を見合せ、吹き出してしまった。

 コイツには隠し事なんか出来ねぇな(苦笑)

 「みんなで見ようって話しになったの」

 「みんな?」

 「そう。祐希くんたちバスケ部さんは、屋上で打ち上げ兼ねてでしょ?」

 「うん」

 「だからね――……」

 河川敷の方が見応えあるんだけど、いつしか屋上で見るのが風習となった。

 彼女たちも、俺らに便乗するらしい。

 それは構わない。大勢いるほうが、賑わいもちがうからな。

 問題は武瑠が来るって事だ。