部屋に多恵子が入って来た。


グレーのおしゃれなスーツを着ている。


「ママ、お出かけ?」


「そうなの 冴子さんに呼ばれちゃって 夕食はなんか頼んでくれる?パパは遅くなるから 2人分」


財布をバッグから出して5000円机の上に置く。



「ちょ、ちょっと待って!玲央と2人っきりになっちゃうよっ」


――健全な男女を2人だけにして出かけるなんて、なんかあったらどうすんのっ?もうすでになんかあった訳だけど・・・・・・。


「なに言ってんのよ?玲央くんが結衣なんか襲うわけないじゃない♪」


――いえ、襲われました・・・・・・。


「結衣も異性を気にする年頃になったのね~」


フフッと笑う。


「ママっ!」


冷やかされて顔が真っ赤になった結衣だ。