玲央はあたしをイギリス中部、コッツウォルズへ連れて行ってくれた。


日本からガイドブックを持ってきていたから、電車に揺られながら勉強をしているの。


玲央はと言うと隣で眠っている。


足元に置かれた荷物に視線を移す。


なんだか、玲央の荷物は大きかった。


なんでこんなに荷物が多いの?


首を傾げながら聞くと、「内緒」って言われちゃった。


う~ん、気になるな。


その荷物に手を伸ばした時、眠っていたはずの玲央があたしの手を軽くたたいた。


「内緒って言っただろう?」


「だって、気になるんだもん」


「たいしたものは入っていないから」


そう言って、ペットボトルの水を一口飲んだ。