「明日はもっと景色の良いところへ行こう 泊まる用意をしておいて」


「えっ?と、泊まりっ?」



あたしは驚いて足が止まった。



玲央が振り返り、意地悪気な笑みを浮かべている。



「結衣、何を想像しているの?」



「えっ?な、何も想像してないよっ!突然だったから驚いただけ」



大きく首を横に振ると、玲央が声を上げて笑った。



全然信じてくれない笑いに、あたしの頬が熱くなる。



「おば様たちは知ってるの?」


気を取り直して聞く。



「もちろん、知っているよ」



2人っきりの旅行にご両親公認なんて驚いてしまう。



あたしのパパとママがイギリス行きをOKしたのは、こっちにおじ様たちがいるから。



まあ……ママはきっと二人だけの旅行も何とも思わないと思うけど……パパは……ああ 想像したくない……。