「結衣、何しているんだよ」


あの割れる音はカメラを庭に投げた音に違いない。



「結衣!やめなさい!」



信也も結衣に近づく。



「いやーーーっ!もうカメラなんて見たくないっ!」



叫ぶと一番大事にしていた一眼レフを外に投げ捨てた。



玲央は防ごうとしたが間に合わなかった。



また割れる音が響いた。



投げ捨てた後、放心状態の結衣は意識を手放した。



「結衣っ!」



玲央は崩れるように倒れる結衣の身体を支えた。