「拓海はもっと若い時から飲んでいたからな 玲央も強いんだろう?」


ソファーに腰掛けた信也は笑った。



「マスコミはどうなったんですか?」



玲央もプルトップを開け、一口飲んだ。



「帰ったよ 結衣よりも玲央が拓海の息子と言う事が輪をかけて騒ぎになったようだ」



「あのくそばばぁ・・・・・・」



――結衣がどれだけ傷ついたか・・・・・・。



「その女性だけどね 彼女とも話したよ 結衣が俺の娘だと言う事を知らなかったようだ 結衣の受賞をエサにどうしても玲央にモデルになって欲しかったらしい」



「やる気はないと断ったんです」



「まあ、やりすぎだったようだな」



信也はあの出版社の社長を知っているし、写真界の巨匠とまで言われている信也の力を持ってすればあの女性の企みなどはすぐに消せる。



だが、マスコミは玲央が拓海の息子だと知ってしまった。



それは厄介な事だった。



しばらく玲央はマスコミに追い掛け回されるだろう。



――拓海そっくりなルックスだからな・・・・・・それに葉月ちゃんの繊細な表情も受け継いでいる玲央に周りが放っておかないだろう。