結衣が顔を上げた時には玲央はいなかった。


――なんでそんな事言うの・・・・・・?玲央。



その時、結衣はハッとなった。



「玲央・・・・・・知ってるの・・・・・・?」



身勝手な女と言われるのはそれしか思い浮かばない。



「玲央・・・・・・」



追いかけたいのに足が動かなかった。



結衣は崩れるようにその場に座った。



――あたしの思い違い?写真じゃない、違う事であたしに怒っているの?



後者であって欲しい。