「当たり前だろ?初めて歌ったんだから」



「初めてって・・・カラオケが初めてって事?」



「人前で歌なんか歌えるかよ」



玲央がぶっきらぼうに言う。



「拓海おじ様、そっくりだったよ」



結衣が話をしているのに玲央の視線はホームの向こうのリュウと珠代を見ている。


リュウは珠代と反対のホームに立っている。


悠祐は兄の店に寄ると言ってカラオケ店で別れた。


2組の男女が線路を隔ててほぼ延長線上にいた。