「はぁ…はぁ…」



朝から走ってばっか…


うわぁ〜……


やっぱ入りにくい……


慣れないなこの雰囲気。



結局隣のクラスもその隣もなくて、図書室から借りてきたのはいいものの………



教室の中心的人物。



1番人が集まってる場所の輪の中に


にっくきあいつはいた。



けど中に入る勇気まで出ない……。



「あら?こんなところまでなんの用?」



すると教室前でモジモジしていた私に気付いたクラスの先輩が声をかけてきた。



「また恋也?自転車運転手ちゃん」



そう言うとクスクス笑う先輩。



わざとだ。


嫌い……


やっぱここ嫌い。



自然と唇を噛み締める。



「……これ…あいつに渡して下さい」



私は泣くのを堪え目の前の先輩に辞書を渡す。




「ひよこ!!!」



ビクッッ!!



突然大きな声で呼ばれ、私も先輩も一瞬肩をビクつかせた。