クリ-ミ-ココア

「…比奈ちゃん?」


「ごめっっ…」



気付いたら涙が流れていた。



「泣き虫ひよこ」



懐かしい響きに頭があいつでいっぱいになる。



こんな時に思い出すなんて…。



なんで急に出て来るのよ。


からっぽだった心にあいつで埋めつくされる。



「…それが答えじゃない?」



立ち止まった私に優しく頭を撫で、ソウタ君が話し掛ける。



なんでも分かっているような……



見透かされている。



丸裸にされた気分だよ…。