「………送る」



離れた後、イズミ君は先に教室から出ていって


家まで送ってくれたのだけど……



「まっ!隙あらば奪うからヨロシク!!」



帰り道の間までにいつものイズミ君に戻っていた。


無理してるようにも見えたけど。


私も笑い返す。


私だけが落ち込んじゃいけないと思ったから。


うまく笑えてたか分からないけど。


その時、バッタリこいつと会っちゃって…


イズミ君が軽く、触れるだけのキスをしてきて


小さく呟いた。



「悪あがきさせてよ。」



悪戯っ子の眼差しで私を見た後、帰って行って


2人キリにしないでよ


なんて思ったけど


あいつは目も合わせないし…


何事もなかったように


家に入っちゃって。



「風呂入ってくる。」



今の今まで目を合わせてはくれない。