イズミ君の言葉が頭から離れなくて何にも身に入らなかった。



「やっぱり心配になってあの日…比奈の家に行った。」



それは私が先輩に呼び出された日。


イズミ君が怒鳴って放課後公園で会った日。



「大事にされてたんだな。」



抱き合ってる姿を見られていた。


文化祭1日目、教室で一触即発な雰囲気になったのも…



「比奈が恋也の元に行きそうで焦った。カッコ悪いよな…」



何も言えなかった。


イズミ君と一緒にいる時…あいつと比べてしまっている自分がいる。



「着物の首元見たよ。恋也のだろ?」



うん……あいつの。


それ以上は何もなかったけど


否定もしない。


「入る隙なんてねーじゃんかよ…」



悔しそうに私を抱きしめるイズミ君に


抵抗なんか出来るわけないよ。


傷付けた。


イズミ君を。