「…そーだけど…」



セリ怖いし。


皆心配してると思うし…。



「行きたいなら行け。俺は帰るぞ」



私が黙っていると痺れを切らせたあいつはスタスタと歩いて屋上からいなくなってしまった。



ちょっ……待ってよ。



急に一人ぼっちにされて薄暗い中、心細くなる。


後先考えず私はあいつの後を追った。



階段を急いで下りてあいつの背中を見つけると、一気に安心する。



私達の足は体育館とは逆方向の外に向かって歩いていた。



「俺と帰るのか?」


あいつの数歩後ろを歩いていた私。


やっと立ち止まったあいつは振り返って真っすぐ私を見つめる。



コクンと小さく遠慮がちに頷いて……しまった。



今更、戻れない。


もうこのまま…こいつと一緒に帰ろう。