クリ-ミ-ココア

「よかったのに…1人で帰れたよ?」



セリと崇が校舎に戻って行くのを見ると私は近づいた足を止め、振り返ってソウタ君を見上げる。



「んー…そうすると恋也に怒られちゃうから」


「あいつが?」



私の鞄を持ちながら背中に手を回して車に近づくよう促す。



私は歩きながらソウタ君を見つめた。



「電話しろって言ったの恋也だし。迎え行くって言ったのも恋也なんだよ?」



「電話した時にはもう車動かしてた」
そう話しながらソウタ君は後ろのドアを開けた。



すると低音の効いた音楽が外にまで洩れる。



助手席に座っている人が音を下げてくれた。



中に乗り込むと1人奥に座っていて。



「よぉー!ちびっこ」



そう呼ぶ人はただ1人。



コーラのペットボトルを持ちながら酒臭い男。



コーラとウォッカを混ぜて飲むのもただ1人。