「恋也にはがっかりした」


「え…?」



なんで急にあいつの名前が出て来るの?



「恋也は比奈に意地悪ばっかりするって言うじゃない?」



太陽が沈みかけてイズミ君の横顔も暗い色になり始める。



それでも瞳だけは力強く前を見据えている。



「それでも俺は比奈に対して優しい所もあるだろって思ってたんだ。じゃなきゃ一緒にいないでしょ?」


「恋也にだって聞こえてたはずなのに…微動だにしなかったんだよ。」


「なんか…拍子抜け」



黙って聞いている私にイズミ君は話終えるとため息を付いた。