「はい。ココア」



「ずみまぜん…」



ひとしきり泣いた後、鼻声のまま渡されたココアを受け取った。



イズミ君はそのまま私の隣に座る。



授業が始まる予鈴のチャイムと同時に落ち着きを取り戻した私は


イズミ君からそっと離れた。



また手を引かれて向かったのは、移動手段としても遠回りであまり使われない階段。



そこに並んで腰掛ける。



「ずみません…ズズ…授業サボらせちゃって…」



鼻を啜りながら、私は謝った。