クリ-ミ-ココア

「あっ!もしかして目の前にいる?」


電話しながら歩いてると向こうから男の人が見えた。


「多分…そーかと…」



そう答えると向こうからやって来る男の人は耳から携帯を話して手を振ってくる。



やっぱりイズミ君だ。



私も携帯をしまって控えめに手を振った。



「私服だと雰囲気違うねー」


「イズミ先輩こそ…」



お互い目の前に立ちイズミ君を見上げる。



「甘い香り……」



ほのかにイズミ君からは甘い匂いがした。



「ははっバイト終わりはいつもだよ。」



そっか……


アイス屋さんで働いてるもんね。



「気になる?」


「いえ…好きな匂いです。」



私の言葉にイズミ君はニッコリ笑う。