「ひよこは俺の言葉は無視でソウタは聞けるのか」



「いえ……つい足がすくんじゃって…」



悪魔が口を開いた途端体中の穴という穴から一気に汗がでる。



人気者ソウタ君の飴玉ちょうだい合戦からはじき飛ばされた私。


運悪くあいつの前にきてしまった。


機嫌が悪いご様子だ……



「足がすくむ?」


「だって……怖いし」



あいつの右眉がピクッと動く。



助け船ソウタ君は捕まっててこっちの状況に気付かない。



「恋也〜ぁ何話してんの〜」



そこにソウタ君からもらった飴玉を舐めながら、近づいて来た女子先輩にすら助け船だと思ってしまう私。



この男


乙津恋也(オトツ レンヤ)



私の1つ上。


私の幼なじみ。


私の悪魔であり魔王で魔人で


とにかく意地悪な奴。


嫌いな奴。