箱は木の上にある。 つまり誰かが登って取らなきゃいけない。 「俺が登って取ってくるよ。」 敦の言葉に俺は遮る。 「俺が登るからいい。」 そう言って足を木にかけた時、強い風が吹いた。 その時だった…。 「うわッ!!」 風が強くて木から足が外れた。その拍子に身体が宙を舞った。 えっ…。 「晴馬ー!!」 最後に聞こえたのが敦の声だった。