部屋に戻って執事服に袖をとおす。 まだ新しくてパリパリ。 「なかなか似合ってんじゃん。」 バスルームから敦が顔を出した。 敦は黒い執事服を上手に着こなしている。 「なんか、着心地悪いんだけど。」 蝶ネクタイの間に指を通して引っ張る。 息苦しくてしょうがない。 「慣れればそんなことないぜ。それに、今日は滅多にない、メイドクラスの子達と会えるし…。晴馬もイケメンだからモテそうだな。」 「からかうなって。」 俺が部屋を出ると後ろから慌てて敦が出てきた。