幼い頃から、烏丸佐助には両親の記憶が無かった。



最初の記憶は、烏丸藤次郎の怒鳴り声だった気がする…それもどうなんだって話なのだが。




頭領になれば、偉くなれる。



そう怒鳴られて、扱かれて、気付いたら佐助は頭領になる、というレールが敷かれていたのだ。



自分の意志でやっていると信じていたし、今も信じている。




敵の殲滅、平和維持、人間との協力体制の構築。

それだけを信じて生きてきた。

生まれて17年、ずっとそうやって生きてきた。



その信念に比例して、戦いの腕も上がり、頭領の他には自分に敵うものなど居なくなった。

筈だった。