「なぁお前さ、名前は?」


「……山科燈」


「あかり」


口の中で反復する動作に、気が抜けていた。

気付いたら―…


あたしのファーストキスはこのふざけた天狗に奪われていた。



数秒後―…


左頬にデカすぎる痣を作った天狗が居た。



「……あ、あんた何様のつもりだっ!」



平然とした顔で、佐助は答えた。



「何様?…俺様で、神様だけど?」